ひとり一冊、5分くらいで、本を紹介しあうはずが3時間経っていた、しずかにあつい、冬の夜。
今回は、四冊目の本のお話。awaiya booksのヤングフェアリー、さっちゃんが紹介してくれます。
< 登 場 人 物 >
(読書する、をはじめたのは)
み)みなも / みなもとだよりとawaiya books / 小学生くらいかな
一)一瀬大智 / とおくを描くひと / 中学から不定期に
さ)さっちゃん / awaiya books / ここ数年です
ヒ)ヒロハタジュンヤ / グラフィックデザイナー / 大学生後半から
ど)どいちゃん / オフィスレディ / 物心ついた時から
→ 前書きと<0. 雑談:紙とか文庫本とかのはなし>
→ <1. プラネタリウムのふたご(著:いしいしんじ)/ みなも>
→ <1.5 雑談:みかん休憩>
→ <2. 極夜行(著:角幡唯介)/ 一瀬大智>
→ <3. 春の窓(著:安房直子)/ どいちゃん>
< 4. 夜は、待っている。(著:糸井重里)/ さっちゃん>
(小休憩中、手紙(*この日は紹介する本についての手紙を書いてくるという宿題がありました)を書いてきたや書いてきていないやの話をしている)
み)私ね書いてない…
さ)書いてきました一応。
み)さすがの。
一)さすが。
さ)いや、私、ちょっと携帯が壊れてて、どんな感じかよくわからんかったけど、今日は「awaiya books」の、あの、ほんまに、なんか、するっていうことだけは分かっていたので、
(*awaiya booksはみなも提案さっちゃん参加の本屋のような場所。それをこれからはじめようとしていた時期に、本を読むひとたちのつどいBIBLIO POSTを開催してみたのでした)
一)めっちゃざっくり。(笑)
さ)冬っていうのはあんまり意識してなくて、
このなんか色味というか、なんかこの表紙が、見たときにああ素敵やなって思って。
その、昼から夜になる、その間の、時間が、けっこう、みなもさんと私との間でも、けっこう共感できるところがあったりして。
み)そうそう。すごい。私この本持ってるけど、このページのこと意識したことなかった。
さ)意識しました。(笑)内容はそんなに覚えてない。結構前なんで。内容というかなんか、1ページ、1ページ…。
み)あ、じゃあ、いきますか(笑)
さ)あ、じゃあ…、緊張しますね(笑)
(夜は、待っている。)
さ)えっと、「夜は、待っている。」なんですけど、
私、あの、今日、本の会で来てますけど、ちょっと前ぐらいまでは本当に本というもの読まなくて、読まないというか読めない。なんか文自体が苦手で、、本当に、子供のころとか小学生とかのテスト、文章問題、その何行かすら嫌なくらい。
一同:(笑)
さ)勝手に、私には合わないって思ってて、文というか言葉、なんか苦手意識、勝手な(笑)
小さい時からその絵を描いたりとか、内々的なことが好きで、こう、あんまり、(読書に)魅力を感じたことなかったんですけど、、、
まず、この本(の話)じゃないんですけど、谷川俊太郎さんとか、そういう、詩から読み始めて、ほんとに、パッと見てその言葉が好きやなとか、、そこから、だんだん文が好きになって。
で、これ(夜は待っている)はなんで持ってるのかというと、あの、話が飛ぶんですけど(笑)、
この、このページがすごい、好きで。
今、住んでる家に引っ越してきたのが2年前くらいなんですけど、そこから見える景色がちょうどこういう感じで、今まで、低い階っていうか、高くても4、5階とかの家にしか住んだことなくて、
今は12階なんですけど、こういう景色が見えてて。
国道沿いなので、結構音とかもうるさくて、住みごこちというか、その家は好きなんですけど、なんかざわざわ、なんか車の音が気になるっていうのもあるんです。
ただ、好きやなと思うのが、その、夕方から夜になる時間にベランダに出ると、この景色が見えて。
私が普段苦手だと思っているなんか、街並みとか道路とかなんかこう線路、電車が行きかってるとか。なんかそういう、日常でざわざわしてると思って苦手意識があるものが、夜になるその瞬間だけ、なんか、車の音も聞えなくなるぐらい、なんか、すきなんですね。
こう、夜が来たことによって、あわい色になるじゃないですか、間のところ。街とか空とか、なんかそれを眺めていると、すごい落ち着いて、なんか、いいんですよ。
この本は、自分があんま落ち着いてないっていうか、自分の、時間をあんま取れてない時期があって。そういうときに私が生まれ育った「栂・美木多(とが・みきた)駅」っていうのがあるんですけど、大阪の堺市に。
その栂・美木多駅から歩いて行って、地元の人とか、友達とかもほとんど知らないようなお店が一つあって。すごい変わったとこにあるんで、みんな知らないんですけど。たまたまなんか通りかかって、入るようになってから、そこに、たびたび、帰ってて、
お店なんですけど、レストランというかカフェというか。でも、お店に行きたいというよりかは、私はいつも、そこに帰りたいなあって思って行くんですよね。
(お店の)人がふたりいて、ふたりが、結構あたたかく迎えてくれて、程よい距離で。そんなにたくさんのことを話したわけじゃないのに、お帰りって言ってくれたりとか。まぁ、なんか、ふしぎなとこなんですけど。
(みなもとに、かえる場所)
そこで、私が、ざわざわした時期に、行ったときにポンと(この本を)机の上に出されて。開いたらこの景色があって。あ、そういえば私、この時間が好きやったなとか、自分のこと、向き合う時間のきっかけというか、そういう思い入れのある本です。
内容はそんなに…あの…好きなところはいっぱいあるんですけど、なんていうか、、うーん…、色んなことを書いてるんですけど、この本、「夜は、待っている。」っていうタイトルと、なんか、なんですかね…こう、なんか…、
み)ふふふふ(笑)
さ)ま、待ってくれてる。っていう感じがして、色んな、これはこういうことじゃないか?とか。物語じゃない本なんですけど、あの…誰かの独り言を見てるような。自分のなんとなくこう感じてたけど、言葉にしてなかったものとかが載ってるような気がして、その、これを見つけたときもそうなんですけど、なんとなくこう、自分が自分に帰りたいなっていうときに読みたくなる本です。はい。
み)はい。(笑)
さ)なにが言いたいのか分からなくなっちゃった(笑)
み)いや、はい。いい本です。
一同:(笑)
さ)そういう本ありますよね。
み)うん。
さ)そういう本です。はい。
ど)エッセイみたいな感じ?
さ)エッセー…
み)補足しますと、この本はですね、糸井重里さんっていう方が、その、「ほぼ日刊イトイ新聞」っていうオンラインマガジンみたいなことをされてて、そこで毎日、ちょっとしたコラムみたいなのを
毎日、毎日載せてるんです。365日。と、Twitterに書いてあること、その、10…140文字の中からこう、1年のあいだの言葉を抜粋してつくった本っていうのをたぶん、ほぼ毎年…?毎年出しているのかどうかは分からないんですけど、結構このシリーズがたくさんあって。さらにこの年、震災があった年、東日本…
一)2013年…
み)の、年の1年分の言葉をまとめた本。
やったから、その別れとか、その、終わりと始まりっていうことの話とかも出てきてて、、、
ど)すごい。
さ)(笑)
み)ごめんなんか(笑)
さ)それ…(笑)
一同:(笑)
み)それがね、いいんですよね(笑)
その編集作業自体に、糸井重里さんは、ほぼほぼ関わってないらしくて、編集した人がピックアップして作ってる感じ。
ど)うんうん。
み)らしい。らしいです。
さ)それやから色々…、
み)そうそう。すごい、いいよね、、、(吐息)
さ)いいです。
み)いいです。
ど)へー。
み)いいですよね。なんか紙もいいですね。その紙!(力強く)いいですよねえ、、
ど)いいですね。辞書とか聖書みたいな感じ。
一)聖書そうですね。めっちゃ…、聖書っぽいですね。
さ)なんかこう押し付けてない感じがが好きですね。なんか、糸井さん。
すごい色んなことを言ってくれるんだけど、まぁそんなこともあるよねみたいな。
み)絶対これが正解っていう感じの言い方をしないのが、すごい、でも芯はあるっていうか、自分の中ではあるけど、みたいなのはすごい…いいですよね(笑)
さ)はい(笑)
み)うさぎ描いてるしね(笑)(*クールな雰囲気のヒロハタくんはその実ものすんごい愛うさぎ家。その愛うさぎの話をデレデレにひととおりしてくれたあとでした)
さ)うさぎいいですよ(笑)
一)うさぎ…(笑)
ど)あははは。
さ)はい(笑)
み)はい(笑)
さ)おしまいです。
み)ありがとうございます。
さ)ありがとうございます。
一同:(拍手)
(さっちゃんの持って来てくれた一冊は、たまたまawaiya booksにも置いてある一冊でした。このときさっちゃんが書いてきてくれたお手紙を挟みこまれ、今日も本棚で待っています。)