BIBLIO POST 3(awaiya books)

ひとり1冊、5分くらいで、本を紹介しあうはずが3時間経っていた、しずかにあつい、冬の夜。
3冊目の今回は、こちらの方がご紹介してくださいますよ。

 

< 登 場 人 物 >

(子どもの頃よく読んだ本)
み)みなも / みなもとだよりとawaiya books / ファンタジックな物語
一)一瀬大智 / とおくを描くひと / 青い鳥文庫の怪盗クイーンなど
さ)さっちゃん / awaiya books / おちゃめなふたご
ヒ)ヒロハタジュンヤ / グラフィックデザイナー / 祖父にもらった昆虫図鑑
ど)どいちゃん / オフィスレディ / 安房直子、ロアルドダール、柏葉幸子さんの本

→ 前書きと<0. 雑談:紙とか文庫本とかのはなし>
→ <1. プラネタリウムのふたご(著:いしいしんじ)/ みなも>
→ <1.5 雑談:みかん休憩>
→ <2. 極夜行(著:角幡唯介)/ 一瀬大智>


<3. 春の窓(著:安房直子)/ どいちゃん>

一)えー、どれも面白そうやけどな、、右手にこれが、気になる。(一瀬くんの右隣に座っていたどいちゃんの本を見て)

 

 

(すてきな表紙の文庫本です)

 

ど)じゃあ、(咳払い)、えーっと、
安房直子さんって知ってます?あの、児童書の、、

一同:(知らないです、という顔)

 

ど)児童書を書く作家さんなんですけど。(わたし、)実家に、生まれたときから、けっこう本がいっぱいあったんですけど、その中で、「ハンカチの上の花畑」っていう児童書があって。それが、不思議やけどちょっと怖いお話で、

 

 

あらすじを言うと、ある夫婦がいるんですけど、壺をもらって、
ちょっとうろ覚えなんですけど(笑)、夜中にハンカチを広げておいたら、そこ(壺)から小人が出てきて、その上で花畑をつくる。で、朝になるとそれを壺の中にしまったら、すごく美味しいお酒が次の日にできてる。
それを最初は夫婦だけで美味しいねって言って飲んでたんですけど、ちょっと欲が出てきてしまって。売ったり、他の人にあげたりとか、したら、もう出て来なくなった。そういう感じのお話なんです。
楽しい話じゃないんですけど、すごい心に残ってて、で、ずっとその人(安房さん)が気になって他の本とか、読んでも好きな話が多くって、集めるようになったんです。

一同:(なるほど~という顔)

 

ど)話すのが、難しい(笑)

み)や、分かります(笑)

 

ど)これ(持ってきた本)が短編集で、この中に12編ある。入ってます。

その冬っぽい話(*この日は冬に読む本、というテーマがありました)をこの手紙(*本に手紙を添える、というお題もありました)の中でも紹介してるんですけど、「あるジャム屋の話」っていう話と「北風のわすれたハンカチ」っていう話と、「ゆきひらの話」っていうお話なんです。

で、えーっと…1個づつ言ってるとちょっと長くなるんで、、
あの、この人の全体的なお話なんですけど、さっき、みなもさんも言ってはったみたいに、すごい静かな世界なんですよね。言葉遣いもすごく上品で、美しくって、そう、、
普段だったら見逃してるようなことも、すごいきれいな言葉で表現されてるから、心が洗われるようなというか、浄化されるみたい。読んでて。
っていうので、こうたまに読み返したくなる本ですね。ちょっと怖い話とかも、え、死んじゃったのかしら?みたいな話とか、違う世界に連れていかれたみたいな話とかもあるんですけど、基本なんか、きれいな世界の話が多くて。

児童書なんですけど、大人のひとが読んでも、こう、いいんじゃないかなぁっていうのと。
あと、ほんとにこういう年頃の小学生とかにも、もっとこういう本読んでほしいなぁっていうのも思います(笑)

み)なるほど。

ど)今、流行りの、というか、、、絵本とかでも、やっぱりこう、キャッチ―なものとかがよく売れてたりするじゃないですか。

み)はい。

ど)でも、そういう、地味やけど、言葉が美しい本とかを、読んでほしいなぁ、、って思います。

み)なるほどです。
表紙もなんかめっちゃ可愛い。

ど)そうですね。これはたぶん、色んな本からの抜粋で、えっと、ここにも書いてあるんですけど、大人の女性のためのって書いてあるんで。まぁ、まんまと引っかかってる感じ(笑)

一同:(笑)

 

み)元々その、子供向けというか、作られてたものを、そういうテーマで、

ど)そうですね、たぶん。

み)組み直した…。へー。

ど)大人にもこう、うけるような話が多いのかなって思うんですけど。動物とかと人間が混じり合ってる世界であるとか。あと、食べ物の表現が美味しそうとかが、、心惹かれる点であります(笑)

み)なるほどでございます。それはめっちゃ大事ですね。

ど)はい(笑)

み)えー、初めて聞きました、その方(安房直子さん)。

ど)有名な絵本だったら、「うさぎのくれたバレエシューズ」とか、「やさしいたんぽぽ」とか。

(うさぎのくれたバレエシューズ)

ほんとにだいぶ小さい子用の絵本みたいなのもありますし、これ(春の窓)はもうちょっと年齢上くらい。小学校たぶん2,3年ぐらいとかかな、もうちょっと自分でしっかり読めるようになった子用って感じの本なので。はい、児童書が、好きで。

 

み)気になる、、あんまり、児童書を読んでるんかもしらんけど児童書として意識して読んだことがないから、なんかまだ見ぬ色んなもの(本)がありそう。

さ)たしかに。

み)(話が変わりますが)あんまり(本)買わないですか?最近は。

ど)最近…そうですねえ、うーん…あんまり買わないかなあ。とりあえず図書館で借りてから考えようみたいな。
でも、この人の本ですごい欲しい本があるんですけど、それをなかなかこう、もう絶版になってて。古本屋さんとかでも売ってるのみたことないですけど。

み)それは、、、夢がありますね。こう、本屋に入る度にあるかもっていう。

ど)そう。古本屋入る度に探すんやけど(笑)だいたい、ないっていう。

 

 

ど)安房直子コレクション、みたいな、全集も出てて、、
チラッとでも…あの、読んでいただいたら。

み)はい、読みたい。うれしい。全然知らん(作家さんを知れる)のが、いい、うれしいです。

 

 

(クールなどいちゃんの、淡々と、でも、想いにあふれるお話、お聞きできてとてもうれしい時間です。探しもののまぼろしの本、出会える日が来るといいなあ、、)

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