週末には花を買って帰途につき、花瓶にかざって眺めて暮らす。
そんなくらしにあこがれて花を買ってはみるものの、じっさいに生けてみたすがたは思っていたのとなんかちがう。
えー、あの可憐さは?わたしのときめきは?
そのうえ手入れがわるいのか、数日たたずに元気をなくしていく花たち。
そのがっかりがかなしくて、花に申し訳ないしで、またしばらく花を買わないでいる。
もっと上手に、さっとかろやかに飾ることができたらすてきなのになあ。
もっと長いこと、花をたのしみきることができたらいいのになあ。
花を買う機会が、ふれるたのしみが、もっとふえたらいいのになあ。
もしかして、おなじようなおもいをしているひとが、いるかもしれないなあ。
そういうわけで、みなもと冬じたく市でもお世話になっている出張花屋さん<うるわし花店>さんをおまねきしての<春の花生けの会>が開催されたのでした。
花の盛りのこの季節、さまざまなうつくしい花をはこんでいらしてくださったうるわし花店さん。
見本用に、とその場で飾られた花々のすてきなこと。スススっと慣れた手つきがかっこいいこと。
気がつくとわたしはすでにまなぶモードです。
お客さまがいらっしゃり、さっそく、今日生けるお花をおえらびいただきます。
たくさんの花を前に、らんらんとえらぶすがたがとてもすてきです。
えらんだ花々を、まずは大きな瓶に生ける方法、それから、日が経ってからちいさな花瓶に生けかえる方法をおそわりました。
どう生けていくか、順番や考え方、さまざまなコツ。その、ささやかとも思えるコツを添え入れるたびの、花たちがぐんとうつくしく見える瞬間。
たとえばすこし角度や長さがかわるだけで、あきらかにうつくしさの精度が上がります。
その瞬間、瞬間が、ぞくぞくするほどおもしろいです。
なによりも印象的だったことは「花のすがたが生きるように生ける」こと。
じぶんが、うつくしい、と感じたすがたが目に入るように生ける。うるわし花店さんのことばに、見せたいものがあらわれる絵、見せたい感情がつたわる写真のことを思い出しました。
おどろきや学びが細やかにつまったレクチャーのおかげで、それぞれ個性が感じられるすてきな花瓶が完成していきます。
お花を眺めながら、お菓子とコーヒーをおたのしみいただき、お話にも花が咲いている様子でした。
みなさまの、ご自身の手で生けられたよろこび、がこぼれはじけているように感じられて、こちらまでうれしくなるすてきな時間をいただきました。
草花との距離がちかくなると、季節のかんじかたも細やかになる心地がします。八百屋さんの店先で、いれかわる野菜から季節を感じとるように、花屋さんの店先や道に咲く花から季節を感じとることができると、すてきですね。
日々にうれしいがふえる、暮らしにおもしろいがふえる、今回のような会をまた開催することができたらうれしいなあ、と思っています。
わがままな企画をご快諾いただき尽力してくださいったうるわし花店さん、ご参加くださったみなさま、ありがとうございました。
information>>>
うるわし花店(うるわしはなてん)
ウェブサイト https://uruwashihanaten.com/
インスタグラム https://www.instagram.com/uruwashihanaten/
季節のワークショップや軒先花店など活動をされています。
ご自身の世界観を表現するために学ばれた写真がとてもすてきです。ぜひご覧くださいね。