いまの暮らしだより(樋口尚敬)

—– いま、どんな暮らしをしていますか?

いろんな方にきいてみた、いまの暮らしのこと。
いただいたさまざまなお返事を、ひとつに束ねた<いまの暮らしだより>です。

今回は、ものごとを実現させる場所としても存在するすこしふしぎな喫茶店・喫茶星時を岐阜市内で営む 樋口尚敬さん(INSTAGRAM@goro10107314) からいただいたおたよりを紹介します。

喫茶星時のウェブサイトはこちらからどうぞ


→ いまの暮らしだよりもくじ


寄稿の依頼があって、こうしてパソコンに向かっているけれど、なんだっけなぁと思いながら書いてます。普段どれだけ考えずに動いているのが丸わかりになってしまうようで恐ろしいものです。

自己紹介がまだでしたね。岐阜県岐阜市、柳ケ瀬という昔ながらの商店街から一歩離れた場所で喫茶星時という喫茶店を営んでいる樋口 尚敬と言います。

2017年からお店を始め、お客さんとのやりとりを楽しむ日々を過ごしながら、面白いなと思ったことを色んな形で試してみて、実際楽しんでました。

自分の中で喫茶店というのは「日常の延長にあるもの」と考えているので、来てくれているお客様の何気ない興味の実現というのも日常の地続きにあるものとして気軽に試してみて欲しいと思ったんですよね。

自分自身、提案されたイベントについてよく知らないというのもあります。というよりも半分ぐらいは最初知らないというのばっかり(笑)
でも実際お店でイベントしてくれて、触れてみると「あっ、自分はこんな面白い楽しみを逃していたんだな」って発見も毎回のことでした。

そうして4年目に入って、これからどうしようかなって考えている時に昨今のコロナ騒動。いろんな部分で今までの暮らしが変わっていきました。

仕事の面で言えば人と集えないことによるイベントの中止、感染拡大防止による営業自粛を1か月。
仕事以外では極力広く出歩かない様にしていて、気軽に友人たちの所へ行くことが出来ないというのがかなり心に重く来るなぁと日が経つにつれ実感していきました。

最初は何とかなるかなともう少し楽観的にも考えてもいたのですが、長引くにつれて生活の事、これからの事が不安として押し寄せてきました。
今はそれが大分回復してきていて、理由の半分としてはネットのおかげなんだろなって思ってます。
お店を開いてから関わってきた人達は同じような境遇の人達が多く、でもその中で何とか頑張っていこうとしている姿・発信を見て、とても大きな励みになってます。
後はなんだろう。受け入れることが出来たというのもあるかも。自分の力でコロナウイルスをどうか出来る訳でもないし、この状況下でも喫茶店を続けたいと思ってしまっている。だったらその前提を受け入れて、やれる方法を探すしかない。
お店を始める時も資金が全然ない中で、でもやると決めたんだからとスタートしたのが今の形。だから今やっていることはお店を始める、あの時と同じなんだと。そんな気がします。

だから今は色んなことを考えて試す毎日。イベントについてもそう。人が集まれないからやれないのであれば、集まらなくてもやれる方法はないかなってオンラインでのイベントについていくつか参加してみたり、実践してみたりしてます。
お店では以前ボードゲーム会が月一で開催されていて、しばらく止めていたけどこの前初めてオンラインで集まって開催してみました。慣れない部分があるけれどやっぱり楽しいんですよね。ゲーム自体も楽しいんですが、「人が集まって気軽に対話出来ること」が何よりも楽しいなって。改めて実感しました。

やれない理由なんて山の様に作れるけど、作った所でやれないだけだし気分が重くなる。やりたいと思うなら、ただひたすらにやれる事を考えていった方が気分も良いなって自分は思います。
そしてしばらく後、コロナウイルスが終息した時に以前のようなイベントを開催した時、今培った経験を活かしてもっといろんなことが実現できる。そんな想いが今試していて強く感じています。だからこそ今この状況下でやれることを出来る限りやって力を蓄えたいなって思ってます。

まだまだコロナが終息するのは時間がかかりそうだけど、もしきちんと終息して自由に動けるようになったら、それこそ長期休暇を取って旅行に出かけたい。そして色んな場所でお世話になった人達と顔を合わせて、喋りたい、触れ合いたい。お礼を言いたい。

今の状況になって自分は自分が思っている以上にネットの先にいる人達から応援してもらっている。それをとにかく実感しました。だからこそその人達に感謝を伝えたい。

こうして最後まで書いていて、結局は自分はどこまでも「人に帰結していく」んだなぁと気付かされた。
これからも喫茶店として街の中に居続けたい。そして訪れる人達と他愛も無い対話を楽しみたいものです。

 

(いまの暮らしのたのしみや、これがあるから大丈夫、なものや景色やひとの写真)


イートインがしばらく出来ないということでテイクアウト用にレイアウトを変えています。どうしたら良くなるかなとお客様目線で色々考えている時間が対話をするようで楽しい


柳ケ瀬商店街。自粛中で人通りがとても少ないですが、そこを歩くと時折知人達と出くわし会話をしたり。何気ないただの会話が心を軽くしてくれます

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